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痩せ型のための糖尿病対策!痩せてる方が糖尿病になりやすい?!

痩せ型のための糖尿病対策!痩せてる方が糖尿病になりやすい?!

糖尿病は肥満の病気と思われがちですが、実は「痩せ型」の方がなりやすく、症状も重いと言われています。

そこで、今回は「痩せ型の糖尿病を改善する方法」について解説します!糖尿病を予防して健康的に太るためには、栄養バランスのよい規則的な食事と筋トレなど、生活習慣を改善することが大切です!

糖尿病とは?

糖尿病とは?

糖尿病とは、血糖を下げる働きをするインスリンが不足することで、血液中のブドウ糖を細胞にうまく取り込むことができなくなり、高血糖になる病気のことです。

糖尿病には、以下2つの種類があります。

1型糖尿病

1型糖尿病は、インスリンを作る膵臓すいぞうのβ細胞が破壊されて、体内のインスリン量が不足してしまうことで起こります。小児期に起こることが多いため小児糖尿病とも呼ばれています。

インスリンがないと、ブドウ糖を細胞に取り込むことができず、血液中に溜まってしまい、糖尿病特有の合併症につながります。

※日本での発症率は、約10万人に1~2名(認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク調査)

2型糖尿病

2型糖尿病は、生まれつきインスリンが分泌されにくい遺伝体質の方が、暴飲暴食や運動不足、過度のダイエット、肥満、ストレスなどの要因と組み合わさり、それが引き金となって発症します。

発症しても自覚症状がないため、健康診断などで発見されることが多いです。糖尿病になると合併症を引き起こすリスクも高まるので、痛みが無いからといって放っておかずに、必ず治療しましょう。

※日本の糖尿病患者の約95%以上が「2型糖尿病」に当てはまります。(認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク調査)

痩せ型糖尿病の症状

痩せ型糖尿病の症状

太っている人よりも痩せてる人の方が糖尿病の症状が重いと言われており、糖尿病になると以下のような症状が現れます。

  1. 喉が渇く
  2. トイレの回数が増える
  3. 食欲が増す
  4. 疲れやすくなる
  5. 合併症リスクが高まる

糖尿病の症状①「喉が渇く」

糖尿病の症状で一番分かりやすいのは「喉の渇き」です。体内に吸収されずに血液中に溜まった糖を、尿としてどんどん体外に排出するため、水分不足になり異常なほどに喉が渇きます。

飲んでも体内に吸収されないのでさらに飲む、という負のサイクルに陥ります。

糖尿病の症状②「トイレの回数が増える」

高血糖状態が続くと、喉が渇き水分を大量に摂取するためトイレの回数が増えます。また膀胱ぼうこうがうまく機能しなくなり、頻尿を引き起こすのです。

一般的にトイレの回数が1日8回以上になると「頻尿」と言われています。

糖尿病の症状③「食欲が増す」

「異常な食欲」も糖尿病の症状の一つです。飲んだり食べたりしても、体内に吸収されないのでお腹がすき、食欲が増します。

糖はエネルギー源であり、消化・吸収されて健康維持に使れたり、筋肉や脂肪となって人間の身体を支えます。

糖尿病になると、食べても吸収されずに、体外に排出されてしまうため、その結果、食べているのに痩せていくという悪循環に陥ってしまいます。

糖尿病の症状③「疲れやすくなる」

糖尿病になると異常なほどに「疲労感(だるさ)」を感じるようになります。この場合、睡眠や休息をとっても疲れはとれません。

インスリンの働きが悪くなり、代謝が悪化し、また排泄の際に体内のビタミン・ミネラルも一緒に排出されてしまうため、だるさを感じるようになるのです。

痩せ型糖尿病の原因

痩せ型糖尿病の原因

肥満

内臓脂肪がたまると善玉ホルモン(アディポネクチン)が減少し、悪玉ホルモン(TNF-αやMCP-1)やサイトカインが増加します。これらの悪玉ホルモンはインスリンの働きを悪くする作用があるため、インスリン抵抗性が起こり糖尿病になります

運動不足

運動不足は肥満を招き、その結果として糖尿病を引き起こしやすくなります

現代人は通勤にマイカーや電車・バスなどを利用することが多く、体を動かす機会が減っています。そのため、徒歩や自転車通勤をしたり、エレベーターではなく階段を使うなど、日頃から身体を動かすことが大切です。

特に在宅やデスクワークの方は運動不足になりやすいため、適度にストレッチや運動をして、身体を動かしましょう。

食生活の乱れ

現代人の食生活は乱れがち・・・!「食べすぎ」「早食い」「過度な飲酒」「甘い飲み物をたくさん飲む」といった行動は、糖尿病を引き起こす原因になります。

不規則な食事や暴飲暴食は血糖値に悪影響を与え、膵臓すいぞうのβ細胞に大きな負担を与えます。そのため、食生活を改善して、適度な運動を取り入れることが糖尿病予防に大切です。

過度なストレス

過度なストレスが続くと交感神経が優位に立ち、アドレナリンや甲状腺こうじょうせんホルモン、グルカゴンなど、血糖値を上げるホルモンが分泌されます。それにより血糖値が上昇し、糖尿病リスクが高まってしまうのです。

ドイツのミュンヘンヘルムホルツセンターの調査によると、仕事のストレスが糖尿病の発症確率を45%も高くしている、という結果が出ています。

遺伝的要因

糖尿病は遺伝的要因も大きく、家族や親戚に糖尿病の人がいると、糖尿病リスクが高まることがあります。とはいえ、日々の食事やストレスなど、生活習慣の乱れも糖尿病の原因になるため、遺伝的な要因だけで判断するのは好ましくありません。

加齢

加齢とともに膵臓すいぞうのβ細胞の機能が低下し、基礎代謝も落ちるため、食事から摂取したエネルギーを消費しにくくなり、糖尿病を引き起こす原因になります。これまでは健康だったからと言って油断せず、40歳をすぎたら注意しましょう。

痩せてる方が糖尿病になりやすい?!

痩せてる方が糖尿病になりやすい?!

糖尿病といえば、太っている人がなる病気と思われがちですが、実は痩せてる人の方が糖尿病になりやすく、症状が重度であることが多いんです!

英国のニューキャッスル大学の調査結果では「痩せてる人の2型糖尿病は予想以上に多い」ということが明らかになりました。痩せている人は内臓や皮下脂肪の貯蔵量が低いため「異所性脂肪」が増えやすく、暴飲暴食や運動不足を続けていると、血糖値が上昇し、糖尿病リスクが高まります。

痩せている人は、糖尿病に対しての危機感が薄く、健康診断で血糖値が高めと診断されても、あまり深刻に考えない傾向にありますが、食生活の改善や適度な運動を心がけ、血糖値を下げることが大切です。

そんな痩せ型糖尿病の方のために、次章より「糖尿病を改善する食事や運動」について解説していきます!

痩せ型糖尿病を改善する「食事療法」

痩せ型糖尿病を改善する「食事療法」

糖尿病の改善に「食事療法」が基本になります。

2型糖尿病はインスリンの分泌や、糖分の消化吸収が追いつかなくなり、血糖値が上昇した状態になることです。

そこで、栄養バランスのよい食事を心がけ、1日に必要なカロリーを適切に摂ることで、膵臓すいぞうへの負担が軽くなり、十分な回復が見込めます。食事メニューの改善は、糖尿病治療にとても有効な方法と言えます。

糖尿病によい食べ物、悪い食べ物というものはありません。1日のエネルギー摂取量を守り、バランスのよい食生活をおくることが大切であり、タンパク質、脂質、ビタミン・ミネラルをバランスよく摂りましょう!

1日に必要なエネルギー量

農林水産省は、1日に「何を」「どれだけ」食べたら良いのかを、以下のように推奨しています。

1日に必要なエネルギー量

出典:一日に必要なエネルギー量と摂取の目安 – 農林水産省

痩せ型糖尿病の「糖質制限」は危険?!

痩せ型糖尿病の「糖質制限」は危険?!

糖は体内でブドウ糖に分解され、脳や筋肉を動かすエネルギー源となります。そのため、糖質を摂りすぎると糖尿病リスクが高まりますが、全く摂らないのも問題です。

痩せてる人は糖質制限をする必要がありません!むしろ、脂肪が少ない痩せ型の人が糖質制限をするのはとても危険なんです!

ブドウ糖がなくなると脂肪が燃焼されるが、その脂肪がない

糖質制限をして糖の供給を断つと、人の身体は脂肪を燃焼してブドウ糖を作ろうとします。ですが、痩せ型の人はその脂肪がないため、エネルギー不足を引き起こします。

必然的に食事量が増えて、胃に負担がかかる

糖質制限の食事では、糖質を減らす代わりに、高タンパク、高脂質な食事となります。限られたメニューの中で1日に必要なエネルギー量を補おうとすると、かなりのボリュームになるため、胃への負担が大きくなります。

肥満の人が糖質制限をする分には良いのかもしれませんが、痩せ型の人が糖質制限をするのは健康を害する危険もあるため、あまりおすすめできません。

痩せ型の糖尿病対策には「筋トレ」が効果的!

痩せ型の糖尿病対策には「筋トレ」が効果的!

筋トレや有酸素運動には、インスリンの働きを高めて血糖値を下げる効果があります。糖尿病の運動療法としては、一般的に「ウオーキング」が推奨されていますが、痩せ型には効果が現れやすい「筋トレ」をおすすめします。

エネルギーを作るのに血液中の糖が使われる

筋トレをすると、エネルギー源として血液中の糖を使うため、血糖値が下がります。しかも、インスリンはグリコーゲンの再合成に関与しないため、インスリン分泌が低下した糖尿病患者でも、効果が期待できます。 

筋肉が付いて代謝がよくなる

筋トレをすることで筋肉が付いて基礎代謝が上がます。またインスリン効果も高まるため、体内の糖が消費されやすくなり血糖値が低下します。

ですが激しい運動を急に始めると、心臓や腎臓への負担が大きく、かえって害になります。そのため、やみくもに筋トレをすれば良いというわけでもありません。

糖尿病におすすめの筋トレ

糖尿病の筋トレでは「スクワット」がおすすめです!ふくらはぎ、太ももは第2の心臓とも呼ばれており、太い筋肉を鍛えることで、基礎代謝が上がり、糖を消費しやすくなります。

糖尿病におすすめの筋トレ

痩せ型の「糖尿病予備軍」から抜け出して、健康的に太る方法!

痩せ型の「糖尿病予備軍」から抜け出して、健康的に太る方法!

1日3食を規則正しく食べる

食事する時間が不規則だと血糖値に悪影響を与えてしまうため、規則正しく食べることが血糖値コントロールの基本です。

仕事が忙しく、朝ご飯を食べずに通勤し、夜ご飯も遅くなってしまうことが多いかもしれません。そんな時は、夕方におにぎりや野菜スープなど手軽に栄養を摂れる捕食を取り入れると良いでしょう。

朝食を抜くと血糖値の乱れにもつながりますので、おにぎりやパンなど何か1つでも良いので口にするようにしましょう。

野菜から食べる

食べる順番も血糖値に影響します。野菜から食べ始めることで、糖の吸収スピードを抑えられ、血糖値の上昇を防ぐことができます

糖質を多く含むご飯や麺類、パンなどは最後に食べるようにしましょう。野菜の中でも、カボチャやジャガイモには糖質が多く含まれているため、気をつけてください。

調味料の入れすぎに気をつける

調味料には意外と糖質が多く含まれています

特にケチャップやソースは糖質が多いため、かけ過ぎには注意してください。一見ヘルシーそうなノンオイルドレッシングも、糖分を多く含んでいることがあるため、成分表示をよく見てかけましょう。

痩せ型糖尿病の治療薬

痩せ型糖尿病の治療薬

生活習慣や食生活の改善に取り組んでも、うまく血糖コントロールができない場合には、薬物療法を開始します。

糖尿病の治療薬は、「注射薬のインスリン」と「内服薬」の2つがあり、2型糖尿病では内服薬を服用することが多いです。

2型糖尿病の内服薬の種類と副作用

▼インスリンを出しやすくする薬
副作用
スルホニル尿素薬(SU薬) 低血糖、体重増加など
速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬) 低血糖など
DPP-4阻害薬 低血糖、便秘など
▼インスリンを効きやすくする薬
副作用
ビグアナイド薬 食欲不振、吐き気、便秘、下痢など
チアゾリジン薬 むくみ、急激な体重増加など
▼糖の吸収や排泄(はいせつ)を調整する薬
副作用
α-グルコシダーゼ阻害薬 お腹の張り、おならの増加、下痢など
SGLT2阻害薬 低血糖、尿路・性器感染、脱水、頻尿、皮膚症状など

出典:糖尿病情報センター

薬物療法は、薬で人工的にインスリンの分泌を促して、血糖値を下げるというものであり、逆に血糖値が下がりすぎて低血糖症になったり、その他の副作用が伴います。

そのため、どうしても早急に血糖値を下げる必要がある場合や、高血糖が著しい場合に限り、医師と相談の上、最終手段として開始するようにしましょう。

まとめ

糖尿病は太っている人の病気と思われがちですが、痩せ型の方が糖尿病にかかりやすいんです!糖尿病は生活習慣を見直すことで、十分に改善できます!1日3食を規則正しく食べて適度な筋トレを心がけましょう!

  • プルエル

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もやし野郎

BMI15.8の超ガリガリ体質。管理栄養士指導のもと、日々増量に励む筆者。

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管理栄養士

管理栄養士資格を保有する、栄養士勤務のフードスペシャリスト。

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「太るための教科書」は、痩せ体質で悩むガリガリの“もやし野郎”と、現役管理栄養士の2人で運営。痩せ体質で悩む方のお役に立てば幸いです。

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