食物酵素を摂っても「体内酵素」は増やせない？！

「食物酵素を摂れば、体内の消化酵素が増えて太りやすくなる！」

という話をよく耳にしますが、これは大きな間違いです。「食べ物から酵素を補っても、それが体内酵素の代わりになる」ことはありません！！

本記事では、「食物酵素とは何か？」「食べ物から酵素を摂っても体内の消化酵素が増えない理由」について解説します。

食物酵素とは？

「食物酵素」とは食べ物に含まれる酵素のことであり、野菜や果物、海藻、豆類、発酵食品に多く含まれています。

酵素は、

の3種類に分けられます。

酵素は体内で作られ、食べ物を消化したり、息をしたり、新陳代謝を促したりと、生命活動に大きく関わっており、人が生きていくために必要不可欠な成分なのです！

消化酵素は「栄養素を消化・分解」する

中でも「太る or 痩せる」という体質に関わるのが、「消化酵素」です。

食べた栄養は、

というステップを踏んで、栄養が体内に吸収されます。

消化酵素は、“栄養素を消化・分解して、吸収しやすくするもの” と考えれば分かりやすいです。① , ② の消化機能が低下していたり、消化酵素が足りないと、食べ物が小さく分解されずに腸に運ばれてしまうため、栄養をしっかり吸収することができなくなってしまいます。

食べ物から酵素を摂っても、体内の酵素は増やせない！

「食べ物から酵素を摂り入れれば、体内の消化酵素が増える」⇒ 結果的に、消化吸収力が高まり太れる！

という話を耳にしますが、これは大きな間違いです。

酵素は体内でしか作られない

食べ物から摂り入れても、体内の酵素は増えません！

消化酵素は、栄養を消化吸収する上で大切な存在であることは間違いありませんが、酵素は体内でしか作られないため、外から摂り入れても体内にある酵素の量を増やすことはできません。

外から摂った酵素は、アミノ酸に分解されるだけ！

酵素はたんぱく質の一種であり、外から摂り入れても、アミノ酸に分解され体内に吸収されます。

医学的には、“食物酵素を飲めば太れる” という根拠はありません。

食物酵素を摂るメリットや効果

食物酵素を摂っても「体内の酵素を増やす」ことはできませんが、「酵素を豊富に含む食材を食べる意味」はあります。

直接的に体内酵素を増やす効果は期待できませんが、間接的に胃腸の消化吸収を助けることにつながります。そのメリットは以下2つ。

消化吸収しやすく、胃腸への負担が少ない

酵素を豊富に含む「発酵食品」は、すでに微生物によって分解されているため、消化吸収しやすく胃腸への負担を軽減させる効果があります。

例えば、ヨーグルトは乳酸菌によって牛乳の「乳糖分」が分解されているため、牛乳を飲むよりも消化吸収に優れています。

栄養価の高い食品が多い！

酵素は、発酵食品（納豆、キムチ、ヨーグルト、味噌など）や、野菜・果物に多く含まれています。

発酵食品がカラダにいいと言われる理由は、「食物酵素を摂ることで、体内の消化酵素が増える」からではなく、「酵素を含む食材には栄養価の高いものが多い」からです。

野菜は「生」で食べないと意味がない！は間違い！

「酵素は熱に弱いため、野菜は生で食べないと意味がない」と書かれているサイトもありますが、食物酵素を摂ってもアミノ酸に分解され、吸収されるだけなので、酵素としての働きは期待できません。

そのため、必ずしも「加熱≒悪」というわけではなく、むしろ加熱をすることで食材が柔らかくなり、消化吸収しやすくなるメリットもあります。

「胃腸が弱い人」は、野菜に熱を加えてから食べることで胃の負担を減らすことができます。生野菜、温野菜はどちらもメリット＆デメリットがあるので、それぞれを理解して食べるのが良いでしょう。

まとめ

「食物酵素を摂れば、体内の消化酵素が増える」は大きな間違いです！食べ物から酵素を補っても、それが体内酵素の代わりになることはありません！！

「飲むだけで体内の酵素量が増える」と謳ったサプリやドリンク、サイトも多いですが、医学的にはそうした根拠はありませんので、騙されないようにしましょう！

最後までお読みいただき、ありがとうございます。健康的に太れますように！