
たくさん食べてるけど太れない!その原因は基礎代謝にあるかも?!
痩せたい人は基礎代謝を上げる、という話をよく耳にしますが、実は太りたい人にとっても基礎代謝はとても重要になってきます。ここでは「基礎代謝の正しい知識と太りやすさの関係」についてご紹介していきます。
目次
そもそも基礎代謝ってなに?

基礎代謝とは生命活動を維持するために消費されるエネルギーのことです。
何もせずじっとしていても、呼吸や体温を維持したり、内臓の活動など、人の体は生きるためにエネルギーを使っています。この生理的行われるエネルギー消費のことを「基礎代謝」と呼びます。
1日の総消費エネルギーは、「基礎代謝=約70%」+「生活活動代謝=約30%」の割合になっており、基礎代謝は消費エネルギーの大半を占めています。
基礎代謝の内訳
基礎代謝の内訳は、以下の通りです。

肝臓:27%
データ参照:FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告
脳:19%
筋肉:18%
腎臓:10%
心臓:7%
その他:19%
以前までは、基礎代謝を上げるためには「筋肉をつける」ことが鉄則と言われてきました。しかし、筋肉はわずか18%程度しかなく、基礎代謝を上げるためには、筋肉よりも “内臓機能を高める” ことが重要です。
基礎代謝は体重に比例する

基礎代謝は体重に比例して増えていきます。太っている人より痩せている人の方が基礎代謝が高いイメージを持たれるかもしれませんが、実は太っている人の方が基礎代謝が高いんです!
基礎代謝の測定はその日の体調や気温によっても変化するため、正確な数値を調べるのは難しいですが、厚生労働省による下記の推定式を使うことでおおよその基礎代謝量を算出できます。
▼基礎代謝の推定式
基礎代謝 = 基礎代謝基準値 × 体重
「基礎代謝基準値」は以下を参考にしてください。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
18-29歳 | 24.0 | 23.6 |
30-49歳 | 22.3 | 21.7 |
50-69歳 | 21.5 | 20.7 |
参照:厚生労働省策定 日本人の食事摂取基準 2005年度版
太るために必要な摂取カロリー
1日に必要な摂取カロリーは前述の推定式に、下記の身体活動レベルをかけて算出します。
生活パターン | 身体活動レベル |
---|---|
デスクワークの方。運動はほとんどしない。 | 1.5 |
たまに立つ。通勤、買い物、家事、軽いスポーツをする。 | 1.75 |
立ち仕事の方。スポーツや運動をよくする。 | 2.0 |
例えば、「年齢27歳/体重55kg/男性」で仕事がデスクワークの場合、1日のエネルギー必要量は、
24.0 × 55 (kg) = 1,320 (kcal)
↓
1,320 (kcal) × 1.5 = 1,980 (kcal)
となります。太るためには「1,980 kcal」以上(目安)のカロリーを毎日摂り続ける必要があります。痩せ体質で悩んでいる方は、自分が太るために必要な1日のエネルギー量を見直してみましょう。
基礎代謝が高いことによるメリット

基礎代謝が上がれば、脂肪が燃焼しやすくなり “太りにくい体” になります。カロリーや糖も消化されるため、糖尿病などの生活習慣病リスクも軽減されます。
さらに新陳代謝が活性化され、美肌・アンチエイジングにも効果が出たり、免疫力が向上するなど、美容・健康面において多くのメリットが期待できます。
▼基礎代謝が高いことによるメリット
- 太りにくい体になる
- メタボリック解消
- 便秘解消
- 美肌・アンチエイジング効果
- 免疫機能の向上
- ガンや糖尿病の予防
太りたい人にとっては基礎代謝が高いことはデメリットになるのではないかと思われますが、基礎代謝が高いことは健康な体をつくるのに大切ですので、故意に基礎代謝を下げるようなことはしないようにしましょう。
基礎代謝が高いことによるデメリット
基礎代謝が高いことによるデメリットはほとんどありません。基礎代謝には限界地があり、高すぎるといった状態にはなりません。むしろ病気リスクの軽減や健康維持のために積極的に体質改善を行っていきましょう。
基礎代謝が高い人の特徴

基礎代謝が高い人は、ご飯は人よりもたくさん食べてるけど太れない、という人が多いです。基礎代謝が高い人の特徴としては次のような点が挙げられます。
- 基礎体温が高い
- 多汗症・暑がり
- 手足がすぐ熱くなる
基礎体温が高い
基礎体温が高い人は体温を維持するために、多くのエネルギーを消費します。平熱が37度前後と、やや高めな人は基礎代謝が高い傾向にあります。
多汗症・暑がり
体重に関係なく基礎代謝が高い人は、エネルギーの発熱量が大きいため、ちょっとしたことでもすぐ暑くなります。
手足がすぐ熱くなる
痩せている人は手足が冷えやすい、と思われがちですが、基礎代謝高くてガリガリ体質な人は、冷え性とは無縁です。痩せ型の冷え性は、代謝が悪く血液循環が悪くなっていることが多いため、基礎代謝を上げることが大切となります。
基礎代謝の高さを維持して太る

基礎代謝が高くて太れない人は「基礎代謝を低くしたい」と思ってしまうかもしれませんが、基礎代謝が高いことは、増量にはマイナス要素ですが、体の健康にとっては良いことなんです。
体温が1度上がれば、免疫力は5~6倍にアップすると言われています。健康的に体重を増やすためには、基礎代謝の高さを維持したまま、消化吸収率を上げ、摂取カロリーを増やすことが重要となってきます。
まとめ
基礎代謝は人が生きるために必要なエネルギー消費活動であり、総消費エネルギーの約70%を占めています。基礎代謝を上げるためには、筋肉をつけることよりも内臓機能を高めることが重要であり、健康で病気リスクを下げる意味でも基礎代謝について知るようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。