
有酸素運動とは何か?得られる「メリット」や効果を最大化するための「時間や方法」などについて紹介します。有酸素運動は20分以上続けないと意味がない、という噂もありますが、これは本当なのでしょうか・・・?
目次
有酸素運動とは

有酸素運動とはジョギングやウォーキングなど、筋肉への負荷が低い運動のことです。酸素を消費し、脂肪や糖質を燃焼してエネルギーをつくります。有酸素運動をすると、ダイエットや血行促進、美肌やむくみ解消などの効果が期待できます。
厚生労働省では以下のように解説されています。
酸素を使い体内の糖質・脂質をエネルギー源とする、筋肉への負荷が比較的軽い運動。
負荷の比較的軽い(運動強度の小さい)運動は、筋肉を動かすエネルギーとして血糖や脂肪が酸素と一緒に使われることからエアロビクス(有酸素性運動)と呼ばれます。一方、短距離走のように短時間で強い負荷がかかる(運動強度の大きい)運動の場合は、筋肉を動かすエネルギー源として酸素が使われないため無酸素性運動と呼ばれます。運動中に呼吸をしているかどうかという意味ではありません。
出典:エアロビクス / 有酸素性運動 – 厚生労働省
有酸素運動の効果

酸素を使いゆっくりとエネルギーを燃焼する「有酸素運動」には、主に以下のような効果があります。
- ダイエット(脂肪燃焼)
- 筋肉太りの解消
- 心肺機能の改善
- 高血圧や冠動脈疾患の緩和
- 頭の回転が早くなる
- ストレス解消
- 骨粗鬆症の予防
- 美肌・アンチエイジング
- むくみ解消
- 基礎代謝の向上
- ストレス解消
有酸素運動はダイエット目的で行う人が多いですが、さまざまな効果が期待され、健康促進のためにも、ぜひ取り組みたいトレーニングなのです。
有酸素運動と無酸素運動の違い

運動には「有酸素運動」と「無酸素運動」の2つがあります。有酸素運動は脂肪燃焼の効果があり、ダイエットにおすすめです。一方で、無酸素運動は筋肉をつける(増量)のためのトレーニングであり、ダイエット効果はありません。
具体的な違いについては「無酸素運動と有酸素運動の違い」で詳しく紹介しています。
ダイエット効果を高める有酸素運動の方法
有酸素運動は、体内にある糖質(炭水化物)と脂肪がエネルギーとして使われるため、体脂肪の燃焼によるダイエット効果が得られます。
体脂肪を効率よく燃焼させるには、最適な運動強度を保ってトレーニングすることが大切です。そこで、ダイエット効果を最大化するための効率的な有酸素運動の方法について紹介します。
効果が得られる時間とは?20分以上やらないと意味がない?!

必ずしもそういうわけではなく、5~15分でも脂肪は燃焼されます。
運動の始めは、糖質からエネルギー源として使われ、徐々に脂肪が燃やされていきます。20分を経過したあたりから、脂肪燃焼の効果が最大化してくるため、その後は続ければ続けるだけ体脂肪が燃やされていくのです。
ダイエットには有酸素運動を “20分以上続けた方が良い” と言われるのはこのためです。もっとも、トレーニングにおいては「時間」よりも「期間」が重要であり、3日以上何もしないでいると、効果がなくなってしまいます。そのため、週3日以上を目安にトレーニングを続けるようにしましょう。
ダイエットには「筋トレ」も必要

ダイエットするためには、「有酸素運動」と「筋トレ」を一緒にやることが大切です。筋トレをして筋肉をつけることで、基礎代謝がアップし、脂肪が燃焼しやすく太りにくい体を作ることができます。
トレーニングは「筋トレ⇒有酸素運動」の順番でやりましょう。有酸素運動の前に筋トレをすることで、成長ホルモンが分泌されます。それにより脂肪が、より燃焼されやすい「遊離脂肪酸」へと分解され、体脂肪の燃焼効率が高まるのです。
ダイエット効果を高める食事の回数

ダイエットの基本は「1日3食」しっかり食べることです。
食事回数を減らすと、リバウンドのもとになるため、生活リズムを整えて消化によい食事を摂ることが大切となってきます。食事回数よりも、たんぱく質やビタミン・ミネラル、良質な脂質(魚油、ココナッツオイル)など豊富な栄養素をしっかり摂り、糖質制限することの方が、食事回数を減らすことよりも非常に重要なのです。
運動だけでなく、日常の行動が大切!

必ずしも「トレーニング」にこだわる必要はありません。忙しくて運動をする時間がとれない時は、以下のような行動を心がけるだけで、筋肉量を増やし基礎代謝を高めることができます。
- いつもより早めに家を出て、一駅分歩く
- エレベーターを使わず、階段で昇降する
- 電車・バスでは座らずに立つ
- 買い物は車ではなく、自転車や徒歩で行く
- 定期的に、家の掃除をする(隅々まで念入りに)
- 背筋を伸ばして、姿勢を正す
有酸素運動の種類は?どんな運動があるの?

有酸素運動の種類には、主に以下のようなトレーニングがあります。
有酸素運動の種類
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- エアロバイク
- エアロビクス
- 踏み台昇降運動(ステッパー)
- ヨガ
- ピラティス
- ラジオ体操
- 縄跳び
- ボクシング
- トランポリン
- スクワット
- フラダンス
- フラフープ
- サーキットトレーニング
- バランスボール
- カポエイラ
- タバタ式トレーニング
- インターバルトレーニング
自宅でできる有酸素運動
筋トレとは違い、有酸素運動は体を大きく動かすことが多いので、自宅(室内)でできる運動は限られてきます。そこで、自宅でできる有酸素運動を「自宅で手軽にできる有酸素運動おすすめ17選【部位別】」で紹介しています。
有酸素運動は毎日やるとキケン?!

適度な有酸素運動はダイエットや健康促進に効果的ですが、毎日やり過ぎると、オーバーワークになり、以下のような症状を引き起こす危険があります。
- 食欲不振
- 疲労蓄積
- 睡眠障害
- 体重がどんどん落ちていく(または急激に太る)
適切な頻度・回数
有酸素運動の頻度は「週に3~5日」程度が丁度よいでしょう。運動をやめると元の体に戻ってしまうのではないかと心配になり、週6回以上も運動し続けると、オーバーワークになってしまう危険があります。
ウォーキングのような軽い運動であれば、週6回を超えても大丈夫ですが、ランニングのような負荷の強い運動は、週2~3回程度にとどめ、疲労回復を優先しましょう。
有酸素運動、筋トレ、プロテインの正しい順番

ダイエットや筋肉太り解消を兼ねて「筋トレ」と「有酸素運動」を取り入れている場合には、その順番が大切です。正しい順番でやらないと “逆効果” になってしまうので注意が必要です。
トレーニングの目的によっても、順番やプロテインの有無が変わってくるため、まずは自分がどうなりたいかを明確化してください。
ダイエット目的なら「筋トレ⇒有酸素運動」
ダイエットを目的とするのであれば、「筋トレ⇒有酸素運動」の順番でOKです。有酸素運動の前に筋トレをすることで、脂肪燃焼効果が高まり、効率的に体脂肪を減らすことができます。
減量したいときは、有酸素運動を多めにして「有酸素運動>筋トレ」になるようにしましょう!
筋肥大目的なら「筋トレ⇒有酸素運動⇒増量プロテイン」
一方で筋肥大(細マッチョ)を目的とするのであれば、「筋トレ⇒有酸素運動⇒増量プロテイン」の順番がおすすめです。筋トレを多めにして「筋トレ>有酸素運動」になるようにしましょう!
「有酸素運動」のあとに「筋トレ」をするとヤバイ
筋トレの前に有酸素運動をしてしまうと、成長ホルモンの分泌が妨げられ、筋トレ効果を十分に発揮できなくなってしまいます。トレーニング効果を最大限発揮するためには、正しい順番で取り組みましょう。
有酸素運動をすると筋肉が落ちるってホント?
結論からいうと、有酸素運動をすると筋肉が減少するのは事実です。有酸素運動そのものが筋肉減少の原因ではありませんが、正しく行わないと、筋肉を減らしてしまうことになりかねません。詳しくは「有酸素運動をすると筋肉が減少する?!嘘?本当?」で紹介しています。心配な方は要チェックです!
有酸素運動に最適な心拍数とは?

有酸素運動時の「心拍数」はとても重要であり、最適な数値でやらないと、期待する効果が得られない場合があります。
最も脂肪が燃焼するのは「最大心拍数の60~80%」
脂肪が効率よく燃焼する、最適な心拍数は「最大心拍数の60~80%」の時です。
最大心拍数は、もうこれ以上できないという限界を超えた時の心拍数です。正確な数値は、ランニングマシンなどで、限界まで走り続けて測るのですが、なかなかそのような測定機会はありません。そこで以下のような方法で、簡易的に求めることができます。
最大心拍数=206.9-(0.67×年齢)
年齢が27歳の場合、最大心拍数は「206.9-(0.67×27)=188.81」となります。そして、脂肪燃焼効率が最も高い心拍数は「188.81×(0.6~0.8)=113.286~151.048」となります。
【年齢が27歳の場合】
- 最大心拍数:約188 bpm ※小数点切捨て
- 脂肪燃焼効率が最も高い心拍数:約113~151 bpm ※小数点切捨て
この範囲の心拍数でトレーニングをすると、脂肪燃焼効率が高くなります。
心拍数が80%を超えると脂肪が燃えない?!
心拍数が80%を超えると「無酸素運動」になり、脂肪燃焼の効果が期待できなくなります。強度によって、得られる効果が変わってくるので以下の「心拍ゾーン基準」でチェックしてみてください。
目的 | 心拍 [最大心拍数に対しての%] |
運動強度 | |
---|---|---|---|
瞬発力・運動能力向上 | 90%~240bpm | 心拍ゾーン5 | 最大強度 |
筋力・基礎代謝量向上 | 80%~90% | 心拍ゾーン4 | 無酸素 |
持久力向上 | 70%~80% | 心拍ゾーン3 | 有酸素 |
脂肪燃焼・体重減量 | 60%~70% | 心拍ゾーン2 | |
ウォーミングアップ | 30bpm~60% | 心拍ゾーン1 | ウォーミングアップ |
心拍数の測り方
心拍数を使わずに心拍数を測るには、首や手首に指を当てて1分間の脈拍を数えます。ですが、この方法は測定に誤差が生じるため、正確な心拍数を測ることができません。そこで専用の「心拍計(ハートレートモニター)」を使うことで、手軽に心拍数を測ることができます。
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まとめ
有酸素運動はダイエット目的で行う人も多いですが、健康促進にも優れた効果があるので、ぜひ取り組んでいただきたいトレーニングです。正しい方法でやらないと、期待する効果が得られないため、ここで紹介した方法を参考に、効率的に「有酸素運動」に取り組んでください。
ダイエット目的なのに、逆に太ってしまった・・・。筋肉をつけたいのに、どんどん痩せていく・・・。など、誤ったトレーニングをしないようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。